介護で「怒り」が出るのはなぜ?|要介護になるきっかけと、親への“野良怒り”を防ぐ体のケア
- 勝仁 林
- 3月17日
- 読了時間: 4分

「最近、親に対してイライラしてしまう」
「つい強い言い方をしてしまい自己嫌悪になる」
介護や親のサポートをしている世代の方から、このような相談を受けることがあります。
決して珍しいことではありません。
実際、日本では高齢者虐待の約7割が家族によるものと報告されています。
そして多くの場合、最初から虐待があったわけではなく、疲れ・ストレス・余裕のなさから少しずつ関係が悪化していくと言われています。
今回は
・要介護になるきっかけ
・親に対して起こる「野良怒り」
・虐待を防ぐために大切なこと
を、体のケア(整体)の視点も含めてわかりやすく解説します。
要介護になるきっかけは「大きな病気」だけではない
多くの人は
「要介護=脳卒中や骨折」
と思いがちですが、実際はそれだけではありません。
厚生労働省の調査では、要介護になる主な原因は以下のように報告されています。
・認知症
・脳血管疾患(脳梗塞など)
・高齢による衰弱(フレイル)
・転倒・骨折
・関節疾患
ここで注目したいのは、フレイルや転倒です。
フレイルとは、簡単に言うと
「体の予備力が落ちている状態」
例えば
・歩くスピードが遅くなる
・筋力が落ちる
・外出が減る
・ちょっとしたことで疲れる
こうした状態が続くと
転倒 → 骨折 → 入院 → 寝たきり
という流れで一気に要介護になるケースもあります。
つまり、日常の体の衰えを早くケアすることがとても重要なのです。
親に対して起こる「野良怒り」とは
介護の現場ではよく
「自分でも理由がよく分からないのにイライラする」
という状態が起こります。
これは心理学では
感情の転移(displaced anger)
とも呼ばれ、ここでは分かりやすく「野良怒り」と表現します。
例えば
・仕事の疲れ
・家事や育児
・将来への不安
・親の衰えを見る悲しさ
こうした感情がたまっていると、
ふとした一言をきっかけに怒りが爆発します。
「なんでこんな簡単なことができないの?」
「さっき言ったでしょ」
本当は親が原因ではなく、
余裕のなさが怒りとして出てしまうのです。
虐待の多くは「疲れ」から始まる
厚生労働省の報告では、
家族による高齢者虐待の背景には
・介護疲れ
・ストレス
・孤立
が多いとされています。
つまり
悪い人だから虐待が起こるのではなく、
余裕がなくなると誰でも起こりうる問題
なのです。
だからこそ重要なのが
虐待をしない努力だけではなく
疲れを減らす仕組み
です。
実は「体の余裕」が心の余裕になる
ここで見落とされがちなのが
体の疲れと心の余裕の関係です。
慢性的な
・肩こり
・腰痛
・睡眠不足
・自律神経の乱れ
があると、人は
・イライラしやすくなる
・感情のコントロールが難しくなる
ことが研究でも指摘されています。
つまり
体がつらいと、心の余裕も減る
ということです。
整体ができること
整体の役割は、単に「気持ちいいマッサージ」ではありません。
例えば
・姿勢を整える
・関節の動きを改善する
・筋肉の緊張を緩める
・呼吸を深くする
こうした調整によって
・体の疲れが減る
・睡眠の質が上がる
・自律神経が整う
結果として
心の余裕を取り戻す助けになります。
また、高齢の方に対しては
・転倒予防
・関節の動きの維持
・日常動作の改善
といったサポートが可能です。
つまり整体は
介護を頑張る人と
介護される人の両方を支えるケア
でもあるのです。
介護は「一人で抱えない」が大切
親の介護は、誰にとっても簡単なことではありません。
・家族
・介護サービス
・医療
・地域
そして体を整えるケアなど、
いくつかの支えを組み合わせることが大切です。
もし最近
・イライラしやすい
・体が疲れている
・腰や肩がつらい
そんな状態が続いているなら、
それは体からのサインかもしれません。
自分の体を整えることは、
家族関係を守ることにもつながります。
参考文献
厚生労働省. 令和4年度 高齢者虐待防止法に基づく対応状況等に関する調査
厚生労働省. 国民生活基礎調査 要介護となった主な原因
Fried LP et al. Frailty in Older Adults: Evidence for a Phenotype. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2001
日本老年医学会. フレイル診療ガイド2018





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